3年間の取組を振り返って

3 修了生,在学院生から出されているプログラムへの希望

プログラムの対象になっている在学院生,そして,修了生から支援期間終了後について,多くの希望が寄せられています.以下に,そのいくつかを紹介いたします.

平成19年度修了生

幸運にもこのプログラムの恩恵を受けることができたことを心から感謝しています.今後も,このような取り組みが継続され,実践者であり研究を続けていくこを希望する人々への支援を望みます.

平成20年度修了生

本プログラムが一過性の研究で終わることなく,その理念が受け継がれていく事を願います.(中略)大学院を修了した現職教員が自己を再構築できるための環境整備を願います.研修会のような修了後の学習支援の場,大学院で学んだ事を学校現場で実践する際のスーパーヴァイズやカンファレンスの場や修了生同士の情報交流が定期的に行われることで,本プログラムが目指す高度実践構想力が浸透していくと考えます.同様に今回のプログラムで行われた修了生の登用は自分の足跡をふり返るための貴重な場であるように思います.そうすることで学校臨床心理が現職教員にとって魅力的な学びの場となるでしょう.

最後に,学校臨床心理専攻がめざす高度実践構想力と教職大学院がめざす高度教職実践力の相違点について語られる機会が来る事を期待しています.

平成21年度在学院生

現職教員の実践構想力の開発は,もちろん新たな知識や技能の習得という方法もありますが,それよりも教員がすでにもっている経験や資質,能力を自らもう一度ふりかえり,その中から教育的な意義や価値を再確認したり,再構成する力を高めることにより実践構想力の開発,向上が果たせると思います.普段の何気ない実践を意味づけたり,それを意識的な指導に高めたり,あるいはそれを教員同士で共有することによってお互いの実践力の向上を図ることができます.多くの現職教員はすでにすばらしい教育的な実践力をもっています.今年,大学院教育改革支援プログラム事業を体験して,修了生による特別講師や教育臨床実践メンターの方々からとくにそのことを学びました.講義や文献のみでは得られない貴重なものでした.

残念ながら,この大学院教育改革支援プログラム事業は,今年度で最終年度を迎えますが,できるならば修了生による特別講師や教育臨床実践メンター,相談・研修担当専門員による現職教員の修士論文作成の支援をお願いしたいと思います.