北海道教育大学 理事(教育担当) 後藤 嘉也
日本の大学は現在、ディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーを明確にしつつ、「学士力」の達成等を目指し、教育内容・方法の改善を進めることが求められています。
教員養成を主軸とする北海道教育大学の場合、いかにして「教師力」を育成するかということが最大の教育課題であることは言うまでもありません。 この課題に対処するためには、「教師力」の内実を確定してディプロマポリシーを定めること、そして、その教師力を身につけるカリキュラムポリシーを明らかにして教育課程を編成して教育内容・方法を改善することが必須です。
そのため構想されたのが、本取組「往還型カリキュラムによる教員養成の改善―ステップアップ型チェックリストをコアにした教師力育成プログラム」です。平成20年度から3年間、「教育GP」として採択されました。
その根本特徴は以下の3点にあります。
- 教員養成課程の「学士力」としての「教師力」を、1)学習指導力、2)社会性や対人関係能力、3)児童生徒理解、4)教育への使命感や責任感、教育的愛情として確定し、これらの資質能力を構成する諸要素の一覧を段階的に配列する。これが「ステップアップ型チェックリスト」です。
- 「ステップアップ型チェックリスト」に表わされた「教師力」を獲得させる教育課程を「理論-実践往還型カリキュラム」として編成し、すべての専門科目をそこに組み込む。
- 学生の電子ポートフォリオを教員と学生自身が作成し、「教師力」育成のプロセスを点検・評価する。
本プログラムの推進に当っては他大学の種々の取組に学ぶことがきわめて重要ですし、また本学は成果を今後とも発信していく所存ですので、各大学のご協力、ご支援、ご教示をお願いする次第です。