釧路校理科教育実践分野では、さまざまな演習を通して、地域の理科教育の柱となるような実践力の高い教員の養成にあたっています。今回は地学基礎演習の一環として先日行った天体望遠鏡の組み立て演習と天体観察・撮影演習のようすを紹介します。
まず、はじめに屈折経緯台式天体望遠鏡の組み立て演習を行いました。取扱説明書を参考にしながら段ボール箱に分解・収納されている天体望遠鏡を組み立てていきます(写真1)。さまざまな試行錯誤がありましたが、地学教員の見守る中、1時間ほどで組み立てが完了しました。
続いて日が暮れてから、研究B棟屋上で月と惑星(木星・土星)の観望を行いました(写真2)。ファインダー(照準用の小型の望遠鏡)で目標となる天体を捉えてから、水平・垂直微動ハンドルを使って天体望遠鏡の視野の中心に導入します。月の観察では「すごい!アポロ[計画の月]みたいだ!」、木星の観察では「二本の縞(しま)模様と小さな月が見える!」、土星の観察では「ほんとうに環があるんだ!」といった歓声があがりました。
最後に、デジタル一眼レフカメラを用いて「直接焦点撮影法」による月と惑星の画像撮影演習を行いました(写真3)。「直接焦点撮影法」とは、天体望遠鏡の対物レンズをカメラの望遠レンズとして用いる撮影法で、対物レンズの焦点にカメラのフィルムまたは撮像素子(イメージセンサー)の位置を合わせて撮影することからその名があります。
天体望遠鏡へのデジタル一眼レフカメラの取り付け方の説明の後、地学教員によるISO感度、シャッター速度やピントの合わせ方に関する説明と撮影の演示が行われました。続いて、学生自身が撮影に挑戦しました。月は比較的簡単に撮影できましたが(写真4)、惑星の撮影は日周運動により惑星が短時間で視界から外れてしまうため、少し難しかったようです(写真5)。
釧路校理科教育実践分野では、ほかにも理科教育を行う上で必要となる実践力を磨くための演習を行っています。それらについても今後、HPで紹介していく予定です。