令和5年8月26日(土)、本学は株式会社内田洋行との共催で、ICTセミナー「北海道限定GIGA活用セミナー“夏”」を稚内市生涯学習総合支援センターにてオンラインと対面のハイブリッド式で開催しました。
本学共催として4回目となる本セミナーは、GIGAスクール3年目を迎えた北海道内の教育現場における優れた実例を紹介し、道内各地域に普及することを目的として、知の発信拠点である大学と、ICT教育現場と連携した多数の実績をもつ企業との産学連携により実現したものです。
また本セミナーは、広大な面積を有する北海道ならではのICT教育における課題を解決するため、地域の特性にも着目しながら、セミナー開催という手法を通して地域の「ICTリーダー」を抽出し、ネットワークを広げることをテーマとして掲げており、北海道教育委員会をはじめ、沖縄県教育委員会、稚内市、利尻富士町及び幌延町の各教育委員会との連携のもとでの開催となりました。
株式会社内田洋行取締役専務執行役員 宮村豊嗣公共ICT統括 兼 教育ICT事業部長及び本学理事・副学長の後藤泰宏センター長による開会挨拶の後、東京都利島村の弟子丸知樹教育長による講演「当事者として進める教育DX」がありました。続いて、沖縄県教育庁教育DX推進室の大城智紀主任指導主事による「クラウド環境を十全に活用した1人1台端末の活用」、株式会社内田洋行の須藤綾子氏による「どうする?これからのコンピュータ教室」と題した講演の後、連携した市町村の教員から、具体の端末活用だけでなく、他教科・他学校の教員同士でつながり、校内研修の事例から課題解決までを共有するという、新しい試みがリレー登壇形式にて行われました。
特に、昨今は子どもだけでなく教師もまた新しい教育施策や実践に関する情報収集の能力が求められていることについて、弟子丸教育長の「車輪の再発明(誰かがすでに生み出した何かを自分で生み出そうとして時間を浪費にすること)ではなく、巨人の肩に乗る(先人の積み重ねた発見を使いながら、新しい何かをつかむこと)ことが大切になる。」という提唱は、参加した現職教員に対して、改めて大きな気付きを与えていたようでした。
また、対面及びオンライン参加者も交えた質疑応答が行われ、教育現場での課題やその対応などをトピックに、活発で有益な討論がなされました。
本セミナーには現職教員、学生、教育委員会関係者、大学教員など、現地参加28名、オンライン参加121名の参加がありました。参加者からは「泥臭く「まずやってみる。」というマインドの元、目の前の子どもたち、職場に資する教育DXを進めていきたい。」「各管内を巡回するスタイルを今後も進めていただきたい。」「教員、管理職、教育行政、企業という講師の構成が我々参加者に様々な視点を与えていたと思う。」等の声が多数寄せられ、反響の大きさがうかがえるととともに、学校間を超えたつながりが一層望まれていることもわかりました。
「令和の日本型学校教育を具現化するために」と題した講演を行った本学未来の学び協創研究センター佐藤正範主任センター員は「文部科学省の報告ではGIGAスクール構想の浸透が進んでいることが示されたが、実際に宗谷管内の先生方のGIGA端末活用はかなり進んでいた。子どもと教員と保護者、あるいは学校間や管内をまたいだ教育観や具体的な実践例等の共有など、教育における積極的なコミュニケーションの重要性を再確認することができた。」とセミナーを総括しました。
本セミナーは、地域の特性にも対応するため、地域の特性に焦点を当てながらも、GIGAスクール体制の次のフェーズを見据えながら、今後も道内各地での開催が計画されています。