岩見沢校の森田憲輝教授をはじめとした研究グループが、「Content validity and reliability of an enjoyable multicomponent agility test for boys: The N-challenge test(男子児童での楽しい多要素アジリティテストの内容的妥当性と信頼性:Nチャレンジテスト)」という論文を発表し、英国スポーツ運動科学学会が発行する「Journal of Sports Sciences」誌において令和4年2月28日(月)よりオンライン公開されています。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う活動制限等によって、子どもの体力レベルの増加抑制傾向や低下傾向にあることが懸念されています。そのため、子どもの体力向上を支えるための基盤的環境の重要性は高まっている状況にあります。
「体力」のうち「アジリティ」という方向変換を伴う急減速や急加速など動きの素早さは球技スポーツの能力と関連します。それを測る体力テストに国内では「反復横跳び」が用いられていますが、国際的には「アジリティ」テストとしては認められていなく、また古くから反復横跳びは素早さ以外の体力要素の影響が強いことが指摘されていました。
本研究グループでは、N字型に走行コースを設置し、そのコースの中に直線走(スプリント)、左右のターン、ミニハードル、ジグザグという複数の運動要素があり、それらの運動要素の個別タイムと総合タイムを1度の試技で高精度に測定・評価できる「Nチャレンジ」というアジリティテストを開発しました。この研究論文では、Nチャレンジが子どものアジリティテストとして妥当性があること、そして男子小学生の1年生から6年生までで高精度に測定できることを検証したことが認められました。
本研究は森田憲輝(本学岩見沢校)、石原暢(神戸大学大学院)、山本理人、志手典之、奥田知靖(本学岩見沢校)らの共同研究によって実施されました。