ブックタイトル教育大学園情報誌33号
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教育大学園情報誌33号
ご い9 Autumn/Winter 2020 No.33 オンライン授業の画面―自粛期間中はどのように過ごされていましたか? 予定されていた学会や遠方での会議がすべて中止となったので、以前から取り組んでいる博士論文の執筆に時間を当てることができました。ようやく予備審査用の原稿を書き上げ、出身大学に提出しました。息抜きには読書とジョギングを楽しみました。前から読みたいと思っていたゲーテの『ファウスト』を読了しました。また、二〇二〇年は奥尻マラソンに出る予定だったのですが中止になってしまったので、そのぶん旭川市内の河川敷などを走っていました。―自粛生活の中で、ご自身が自宅で行っている研究活動は何かありますか? 専門は英語教育ですが、その中でも語彙指導に興味があります。新しい単語を覚える際に、すでに知っている語を付けて二語の組み合わせとして覚える方法の効果を研究しています。例えばa crow(カラス)を覚えるときにすでに知っている black を付けて a blackcrow として覚えたほうが、a crow単独で覚えるより意味の保持と想起に効果的であることが分かっています。その後どんな組み合わせがより効果的なのか、どういう学習者に効果的なのかといった点を実験で試してきました。その成果を現在博士論文にまとめています。―新型コロナウイルスの感染防止対策として、旭川校では前期の講義・演習を遠隔授業で行っています。オンラインでの授業で難しく感じていること、工夫されていることなどはありますか? 現在はZ o o mによるオンライン授業とUNIPAによる課題提出を併用しています。私の場合はオンライン授業でも、結構普段の対面授業とあまり変わらない授業をしていると思います。普段の授業では講義中心ではなく、質問中心の授業をしています。学生に問いを投げかけ、それをペアやグループで話し合ってもらい、全員で共有するというスタイルです。自分の後ろにホワイトボードを置いて、学生からの意見を書き込み、質疑応答を含めて議論を進めています。―先生が独自で行っている新型コロナウイルス対策はありますか? また、普段どのように対策を行っていますか? 特別なことはしていませんね。外出時にマスクをする、帰ってきたらうがい・手洗いをするということだけです。―学生は、大学に通えない日々が続いています。在宅する学生に対して取り組んでほしいことはありますか? 教科書などで名前は知っているけれど、普段はなかなか読めない古典の大作を読んでみてはどうでしょう。『源氏物語』や『徒然草』などの日本の古典でもいいし、『イーリアス』や『オデュッセイア』などのギリシャ古典でも、『カラマーゾフの兄弟』のようなロシアの長い小説でもいいのです。どれも文庫本で安く手に入ります。コロナによる巣ごもりには笠原 究 先生旭川校・英語教育専攻インタビュアーの声旭川校・教員養成課程・社会科教育専攻3年菅野 広大(かんの たけひろ)お忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございます。今回は、コロナウイルスを話題としてお聞きしました。困難な状況でもさまざまな工夫をこらして自宅での研究や前期の講義・演習を行っていることがわかりました。インタビュアーの声旭川校・教員養成課程・社会科教育専攻3年萩中 志歩(はぎなか しほ)私はオンライン授業を実際に受けてみて、先生とコミュニケーションが取りにくいなどの不便さを感じました。しかし、芳賀先生はそのような状況をポジティブに捉え、工夫した授業を行われていることがわかりました。お忙しい中、インタビューを引き受けていただきありがとうございました。02普段はなかなか読めない古典の大作を読んでみてはうってつけですし、きっと読んだ後には自分の中の何かが変わっていることでしょう。