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概要

教育大学園情報誌33号

19 Autumn/Winter 2020 No.33 函館校キャンパス長五十嵐 靖夫 先生(いがらし やすお)函館校・地域教育専攻・障害児心理学分野教授。教育学修士。札幌市立山の手養護学校つぼみ中学部分校教諭などを経て、2007年4月より北海道教育大学函館校着任。学習において特別な支援を必要とする児童・生徒への指導方法についての研究を主にしている。日本発達障害学会、北海道特別支援教育学会ほかに所属。PROFILE教員であり、大学の責任者でもあるキャンパス長。札幌校を卒業し、函館校のキャンパス長になられた五十嵐先生に2つの側面からお話を伺いました。式、そして令和二年度の入学式とオリエンテーションが中止になったことでした。人生の節目として重要であるにも関わらず、実現できなかったことや不便をかけたことにとても申し訳なく思います。また、地域と学生の交流の場となっていた、函館校独自の活動である地域プロジェクトが開催できなかったことも、地域の方に対して遺憾に思います。Qキャンパス長としてどのような目標や理想を持っているのでしょうか?A函館校には二つの専攻があり、その間に情報共有の隔たりが生まれてしまっているのが現状です。地域のニーズを解決する地域協働専攻と、教育に特化した地域教育専攻が成果を共有しあい、互いの持つ資源を生かして強みにしたいと思っています。そうすることで、地域の持つ教育面のニーズの解決や、日本語を第二言語とする外国人児童生徒に対して、より広範な学習を行うことなどが可能になるはずです。また、函館校が持つ四つの付属幼・小・中・特別支援学校との連携を通した幅広い教育課題への解決や、小学生に向けた大学教員による公開講座を開き、児童生徒の学習の機会獲得や豊かな自己を育むことも考えています。さらに、キャンパスを超えた交流も視野に入れています。特に岩見沢校は函館校と同様に、教員養成課程ではありませんが、双方独自のプロジェクトで優れているところがあります。これらの成果を教員としての学習に反映してもらいたいと思っています。そのためにさらなるキャンパス間の交流に取り組もうと考えています。Q最後に、学生にアドバイスをお願いします。Aどのようなことでもよいので、夢中になれることを、たくさん見つけてほしいと思います。また、何か分からないことがあった際Q五十嵐キャンパス長が研究・授業されている内容についてお聞かせください。A十四年前に大学教員になる以前は、特別支援学級で二十四年間教員を務めていた経験があり、現在は特別支援教育に関して研究や授業を行っています。現在受け持っている授業は、「障害児個別臨床」と「障害児小集団指導」です。前者は、発達障害の診断を受けているいないに関わらず、ある一分野の学習に困難を抱える児童生徒に対して、学生や私が直接指導しています。また、後者ではゲームや運動によってソーシャルスキルを磨くことを目的としています。このような取り組みをベースとして、発達障害に伴ういわゆる学習のつまずきについて、児童生徒の優れた部分を活用して学習に役立てる方法を日々研究しています。児童生徒が分かるようになること、できるようになることを増やすためにつまずきの原因を考え、個々に適した指導方法を探求しています。Q新型コロナウイルス感染拡大によって多くの活動が制限されましたが、大学の運営にはどのような影響があったのでしょうか?Aまず大きかったことは令和元年度の卒業新たな野望を手に、キャンパスの向上をめざすキャンパス メッセ インタビュアーの声函館校・国際地域学科・地域協働専攻・国際協働グループ3年洞内 真琴(ほらない まこと)研究に対するやりがい、楽しさや熱意だけでなく、キャンパスの将来に対する熱い考えがインタビューを通してひしひしと伝わりました。さまざまなことにアンテナが向けられていて、私の地元である青森県にも詳しいようでしたので、今後機会があればお話をお聞かせください!笑顔でインタビューにお答えいただく 五十嵐キャンパス長にただ調べるだけではなく、「考える」習慣をつけてほしいと思います。そのためにはスマートフォンではなく、本を読むことが必要です。特に大学内には、研究室や図書館などに本が膨大にあります。このような環境は卒業するとなかなかありません。本があるという環境に恵まれているこの大学生の間に、多くの本に触れてほしいと思います。