ブックタイトル教育大学園情報誌33号
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教育大学園情報誌33号
たまたま読んでいた本が自分の人生を変えることを、皆さんは想像できますか?今回は、「スポーツ経済学」や「スポーツマネジメント」を専門にしておられる福原先生の学生時代についてお伺いしました。るのは、いいことなんじゃないかなって思います。ゼミの仲間は三、四年になって授業が減る中、唯一顔を合わせる仲間なので、いい関係を築いて卒業後もつながりを持ってもらえたらいいと思いますね。 割と当たり前なことですけど、勉強とか遊びとかも頑張って、充実した学生生活を送ることはとても大事だと思います。大学院の経験も含むのですが、何事にも興味を持つことが大切だと思います。僕の場合は、飛行機の研究をしていて、毎週末深夜にサッカーの試合を見ている、というのは関係ないことだと思うのですが、結局大学院で学んでいた経済学に生きていることはありますか? 大学三、四年はゼミの勉強がとても大変でした。毎週二〇〇〇文字か三〇〇〇文字のレポートを出せと言われ、図書館にこもりっきりの生活が三カ月くらい続きました。サブゼミというものもあり、ゼミの勉強とは別にプロジェクトがありました。四、五人のグループで工場の集積を調べて論文を書いて賞をいただきました。大変な思いをしましたが、その時大変でもあとでいい思い出になるじゃないですか。その時の友達もいまだに仲がいいですし、学校の活動を頑張ることで友達ができたり、いい思い出になったりす―経済学を学んだきっかけは何ですか? 高校生の時は生物が好きでしたが、高校三年生の時に行った大学の学部見学で生物の分野がないことに気がつきました。科学、数学、物理、機械の四つしか学部がなく、理工学部は少し違うなと思いました。慶應義塾大学の学部の中では経済学部が一番有名だと思ったので選択しました。高校の時に倫理、経済をやったことがなかったから経済学はよくわからなかったのですが、もともと理系だったから余裕でした。ただ、マクロ経済学は少しきつかったです。―現在先生はスポーツ経済学がご専攻ですが、スポーツ経済学を研究しようと思ったきっかけはありますか? 大学院の修士の時にはマクロ経済学よりミクロ経済学の方が好きで、航空機市場を研究していました。航空機市場は、理論分析をする時に特殊で分析のしがいがあるというか、理論モデルを作るのが結構面白いです。もともと飛行機に乗るのも好きで、博士課程に進む時もそのまま航空機の市場の研究をしようと思っていました。当時、海外のサッカーも好きで見ていて、偶然、大学院の先生もスポーツ観戦が好きでした。たまたま興味があって『サッカーで燃える国 野球で儲ける国』という本を読みました。これを読んで初めて自分の趣味で見ていたサッカーや野球が研究の対象になることに気がつきました。サッカーや野球を見るのが好きだし、どうせだったら好きなことを研究しようと思いました。これが博士課程の二年生の時ですね。一生やるなら飛行機よりこっちかなと感じました。研究対象を変えることは大変なことなので、先生に相談したら、先生も受け入れてくださり研究することになりました。この本がなかったら今も飛行機の市場を研究していたと思います。― 大学時代の経験で今福原 崇之 先生岩見沢校・芸術・スポーツ文化学科・芸術・スポーツビジネス専攻インタビュアーの声岩見沢校・芸術・スポーツ文化学科・芸術・スポーツビジネス専攻3年土田 千夏(つちだ ちなつ)一冊の本がきっかけで人生が変わったというお話を聞いて、何事にも興味を持つことの大切さを痛感しました。全く関係ないと思っていたことが思わぬところでつながって、人生に影響を与えるかもしれないので、先入観や偏見を持たずにいろいろなことに目を向けていきたいと思いました。教えてください研究室にてインタビューに答える福原先生① 研究室にてインタビューに答える福原先生②笑顔で答える福原先生の知識と、趣味で見ていたサッカーが結びついて今に至っているので、一見関係ないことでも興味を持って楽しんでみると、いいことがあるかもしれないという感じですかね。17 Autumn/Winter 2020 No.33