ブックタイトル教育大学園情報誌33号
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教育大学園情報誌33号
山程ありますが、強いて挙げるならレスピーギの交響詩《ローマ三部作》(《ローマの泉》《ローマの松》《ローマの祭》)ですね。この曲は物凄いですよ。調性音楽が破綻しそうな時代にありながらもまだ調性感があって、その度肝を抜くような楽器づかいは絵の具をのせたパレットのように色彩感があふれています。やはりローマは永遠の都なのだということを感じますね。ラテン民族の力強さと根の深さがひしひしと伝わってきます。イタリアと聞くと最新ファッションの国というイメージですが、この《ローマ三部作》は古代ローマから脈々と受け継がれてきた伝統と、斬新な音楽語法で作り上げられた傑作です。その音楽は映画音楽やディズニー音楽にも大きな影響を与えたと思います。レスピーギは力強さと意外性のある音づかいで人の心を掴み、さまざまな楽器を使うことで、映画音楽のように多種多様なイメージを孕みながら、ラテン民族の勇猛さや優雅さなどいろんなものを表現しているのです。《ローマの泉》は本当にきれいで、ドビュッシーとかラヴェルとかの印象主義的な素敵な風景が浮かんでくる感じですが、《ローマの松》は現代(作曲当時)と古代のローマを往還する感じで、《ロー その当時の娯楽と言えば、カラオケがはやり始めていた頃でしたが、流行の歌をあまり知らなかったので、カラオケは苦手でした。そもそも声楽の世界では歌手が伴奏に合わせて歌うのではなく、伴奏が歌に合わせるのが当然だから、あんなものは歌手がやるものではないと逃げていましたね(笑)。―おすすめの音楽を教えてください。釧路校には12の教育実践分野があり、さまざまな研究領域をバックグラウンドとした先生がおられます。今回は音楽教育実践分野で「声楽」を専門にしておられる鴨川太郎先生に学生時代のこととおすすめの音楽のインタビューを行いました。―先生はどんな学生時代を過ごされていたのですか? 私が大学生だったのは一九八四年からで、修士課程に二年間、そのままドクターに五年間在籍していました。ドクター在籍時は一年間だけ日本にいましたが、その後はずっとイタリアで生活していて、時々研究の成果を書いて先生に見せていました。イタリアではミラノの市立音楽院に一年間だけ入って、あとは個人的にいろんなレッスンに行っていましたね。その間に芸大の博士論文も書かないといけないので本を買って読み漁っていました。ドニゼッティという作曲家のオペラの研究をしていて、ミラノから近かったこともあって、ドニゼッティゆかりの地ベルガモによく行っていました。 日本の大学にいた時は自分が勉強しようと思っていた歌が山のようにあったので、寝食を忘れるほど音楽の勉強に没頭していました。シューベルトやシューマンなどのドイツ系の歌曲や、イタリア・フランスの歌曲、また、オペラのアリアなどを学び、高度なテクニックを要するそれらをどうやってマスターするかということに熱中していました。大学の先生や外部の講師にプライベートレッスンを受けたりもしましたね。 講義の方では特に、文化人類学が面白かったですね。音楽を学ぶためには、音楽だけではなく、文学とか、西洋の伝統的な美術の在り方なども学ぶことが重要なのです。また、歌の良さを知るためには歌詞の意味を深く知らなくてはいけないので、イタリア語、ドイツ語、フランス語なども学びましたね。 高校の同級生五、六人と「かもねぎ座」というアマチュアのオペラ団体を作って、さまざまな人の手を借りながら、公演を数回行ったこともありました。鴨川 太郎 先生釧路校・地域学校教育実践専攻・音楽教育実践分野インタビュアーの声釧路校・教員養成課程・地域学校教育実践専攻2年三寺 佑太(みつでら ゆうた)インタビューの中で、音楽に関連する多くの知識を教えていただきました。ときおりジョークも交えてくださり、非常に聞きやすかったです。インタビュアーの声釧路校・教員養成課程・地域学校教育実践専攻2年松本 拓利(まつもと たくと)歌を学ぶために本場イタリアに留学に行くという、興味あることをとことん追求していく姿に感銘を受けました。また、おすすめの音楽のお話からオペラの世界がより魅力的なものに感じました。音楽の世界の奥深さを感じられる内容で面白かったです!先生のこと、マの祭》では人々の悲鳴とか絶叫のようなものまで聞こえてくるようになります。イタリア人のエネルギーみたいなものがそこここに溢れ出している、そういう作品です。それでいて決して叙情性を失っていない。さすが歌の国イタリア、そう感じさせるものがあります。恩師とイタリア・ヴェローナの野外劇場前で卒業公演《メサイヤ》バス・ソロオペラの公演〈ミレイユの2重唱〉オペラの公演〈ハエの2重唱〉はら16