ブックタイトル教育大学園情報誌33号
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教育大学園情報誌33号
11 Autumn/Winter 2020 No.33 海中プランクトンの多様性をテーマにしました魚が何を食べているのかを顕微鏡で観察しました特定の遺伝子を増幅するPCR装置と電気泳動槽連鎖のイメージを引き出す活動を行い、全体で共有し、課題を設定することによって「磯の観察学習会」当日のねらいを明確化しました。事後授業では、地引網で採集した魚を解剖して、その胃袋の中身を顕微鏡で観察することを通して、再度、食物連鎖とはどんなことなのかを模索しながら話し合い、発表する授業展開としました。今後はアクティブラーニングの三つの視点からの授業実施・改善を進め、その教育効果を検証していきたいと考えています。―新型コロナウイルスに関連した講義を予定されていると聞きました。 私は、平成二十八年度より教科横断型教養科目 「生きる」担当しています。本科目は〝生きること?をコアとしてテーマに据え、教員養成課程を有する札幌校・旭川校・釧路校の三つのキャンパスに所属するさまざまな専門領域の教員が担当する、キャンパス間の双方向的な教養科目です。受講生も、札幌校・旭川校・釧路校三キャンパスから受け入れ、それぞれのキャンパスを双方向遠隔授業システムによって中継しながら講義を進めています。全十五回の講義のうち、三回分が釧路校配信となっており、その中の一回を私が担当しています。三つのキャンパスに所属する異領域の研究―「磯の観察学習会」と理科の授業をどのようにリンクさせたのですか? これまでは、中高学年では総合的な学習の時間の一時間として行われており、理科授業との直接的な関連はありませんでした。そこで、平成三十年度から午前中の観察活動参加に加え、午後の一時間で「磯の観察学習会」に関連した事後授業を理科で実施しました。 文部科学省『小学校学習指導要領(平成二十九年告示)解説理科編』3)第6学年理科「生物と環境」で「(イ)生物の間には、食う食われるという関係があること。」が学習指導要領の学習内容となっています。また、内容の取り扱いとして、「水中の小さな生物を観察し、それらが魚などの食べ物になっていることに触れること。」が記載されています。そこで、高学年児童には午前中の「磯の観察学習会」において、海水を採取することを指示し、「水中の生物の多様性」をテーマに授業を実施しました。授業ではプランクトンネットを使って、海水中のプランクトンを採集し、ルーペなどを用いて観察しました。令和元年度は、「磯の観察学習会」の前週に事前授業を実施し、事前にテーマを設定することで、身近な課題を自ら発見し、より主体的な学びになるようにデザインしました。事前授業では児童から食物者が講義を担当することで、一元的には捉えることが困難な「生き方」というテーマに多角的なアプローチで接近することがねらいです。―先生の担当回は、どのような講義内容なのでしょうか? 代表的な国際学力調査の一つにPISA(Programme for International StudentAssessment)というものがあります。これは、OECD(経済協力開発機構)が行っている学習到達度調査で、義務教育修了段階の生徒が、それまで身に付けてきた知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測定しています。平成三十年の調査では、測定分野として、「読解力」・「数学的リテラシー」・「科学的リテラシー」・「グローバル・コンピテンシー」が実施されています。私はこの中の科学的リテラシーに注目し、〝科学的リテラシーを獲得して生きる?をテーマに講義を行っています。―令和二年度の講義内容の予定を教えてください。 平成二十八年度から四年間は、私の学生時代の専門分野の植物生理学で用いられる遺伝子組換え技術をテーマにして、栽培種の歴史から、現在食べられている食品とのつながりを振り返り、将来の可能性や懸念されていることについて考える内容でした。新型コロナウイルス関連の報道でPCR検査という用語をマスメディアで聞くようになりましたが、私もPCR装置で遺伝子を増幅する研究を行っています。令和二年度からは、「with コロナ」の時代を生きていく上で、科学的リテラシーをどのように獲得・活用すればいいのかを考える内容を計画中です。インタビュアーの声釧路校・教員養成課程・地域学校教育実践専攻2年三寺 佑太(みつでら ゆうた)磯の観察学習会は、児童が楽しんで学べるような良い機会だと感じました。また、胃の中を解剖したり、目で見て感動したりするような体験を増やすべきだと考えることができました。これからの新型コロナウイルスとの共存にも目を向けていきたいです。インタビュアーの声釧路校・教員養成課程・地域学校教育実践専攻2年松本 拓利(まつもと たくと)地域の特性を生活科や理科的視点で捉えることで、子どもたちが学んだことと身近なことを結び付けやすくなり、より興味を持って授業を受けられるのではないかと感じました。これからも新型コロナウイルスと共存していく方法を模索していきたいです!