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概要

教育大学園情報誌32号

8札幌キャンパスSAPPORO CAMPUSこの目で見た!理科の世界 大学の講義は、椅子に座って受ける講義ばかり、と思っていませんか? いえいえそんなことはありません。大昔の地層を求めていざ船旅! あのトゲトゲもここから誕生、ウニの受精!? そんな興味深いさまざまな体験を大学の外で行っている、理数教育専攻・理科教育分野生物学領域の板垣雄大(いたがき ゆうた)さん、地学領域の卜部奎(うらべ けい)さんにお話を聞いてきました。微鏡で数日間観察をします。三日ほどで幼生へと成長し、顕微鏡の中でぐるぐる動く姿を見ることができました。卜部 年代の順番がごちゃ混ぜになっている地層や、層が揃っていない地層を見たことです。通常は古い順番で重なっている地層が水の流れや土砂崩れなどによって、順番が入れ替わっていたり層が揃っていないものを実際に見ることができ、印象に残っています。│ その体験を通じて感じたことはなんですか?板垣 ウニの発生過程は高校生物の教科書で取り上げられているので、もともと知っていました。しかし、実際に自分で卵と精子を採取し、受精させたウニの受精卵が幼生に成長して動きだした時は、改めて生物の面白さを感じました。卜部 僕も地層のことは事前に学んでいましたが、実際に見に行ってみると大きさや質感の違い、色など、教科書で見るのとは迫力が違いました。また、今を生きながらにして大昔の地層を目の前で見ていることや、順番が入れ替わっている地層を目の前で考察することの興味深さを感じました。│ 学外で活動する講義があるとお聞きしましたが、どのような内容ですか?板垣 生物学領域では年に三回、春夏秋にそれぞれ野外で実習があります。二〇一八年度は主に植物や海洋生物などの生態について採集、実験、観察をしました。卜部 地学領域も同じく年に三回、春夏秋に行われます。主に札幌近郊で、地層や化石などの観察をし、火山活動について調査しました。│ 詳しく教えてください。板垣 春は日帰りで岩見沢にある利根別原生林で維管束植物を観察し、リストを作成しました。また、ハエを採集し、生体を調べて講義や実験、卒業研究で使用します。八月下旬には忍路臨海実験所で四泊五日の集中講義があります。ここではウニの卵と精子を採取し、受精させ、そこから成長の様子を顕微鏡で観察しました。九月下旬には苫小牧で一泊二日、きのこの専門の先生ときのこ採集、観察をしてリストを作成しました。卜部 基本的に日帰り調査ですが、二〇一八年度は泊りがけでフェリーに乗り、焼尻まで行ってきました。ここでは火山活動によってできた地層や岩石などを研究し、火山灰を採集します。 そこから噴火した年代を推定し、いつ、どのようにしてできた地層なのかを記録しました。 行く場所は年によって違うので、毎回新しい発見がたくさんあります。│ 講義の中で一番印象に残っている体験はなんですか?板垣 夏の臨海実習で行ったウニの交配です。ウニを採って交配し、受精卵が幼生になるまで顕生物学領域の学生が山へきのこ採集に学生が受精させたウニの受精卵