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概要

教育大学園情報誌32号

札幌校キャンパス長田口 哲 先生(たぐち さとし)札幌校・理数教育専攻・理科教育分野教授。地球環境科学博士。1996年4月より北海道教育大学札幌校着任。電気化学と化学教育についての研究を主にしている。一般社団法人日本理科教育学会、国際電気化学会(ISE; I nternational S ociety o fElectrochemistry)等に所属。PROFILEこの度、札幌校の新キャンパス長に就任された田口先生。先生自身のことや、キャンパス長としての札幌校に対しての考えを取材してきました。することもありました(笑)。部活動は吹奏楽団に入っていて、パーカッションを担当していました。コンクールのための練習をかなり頑張って、三年生の時に、全日本吹奏楽コンクール全国大会にも出場しました。吹奏楽団では、人間関係を学んだり、指揮者として音楽を作るリーダーも経験したりしたので、その経験は今でもいきていると思います。あと、私は当時下宿に入っていて、一緒に下宿に住んでいた教育大生や下宿のおばさんと和気あいあいと楽しくしていたのも思い出に残っていますね。Qキャンパス長として札幌校をどうしていきたいとお考えですか?A卒業した時に「札幌校に入学してよかった!」と学生が思えるような札幌校にしていきたいです。施設面と教育面の二つの観点でこのことを考えています。施設面では、札幌校があいの里に移転してから三十年以上が経過して一部で施設が老朽化しています。最近できたレストルームなどのように、時代に合わせて施設の整備・改修を継続していきたいですね。教育の面では、学生にとってかけがえのない四年間の学生生活を充実して送れるようにしていきたいです。より良い先生を育てていくのが教育大学の大きなミッションですが、そのために教育内容をより充実したものにしていきたいと思っています。比較的小規模で先生と学生の距離が近いというこれまでの札幌校の良さは大切にしながら、一方で、AIにより教育の在り方が変化したりICTを活用した教育が求められたりなど、教育界には時代の変化に伴って新しい課題が出てきていますので、それらに対応する必要があると思っています。Q学生に目指してほしいことは?A主体的に学んで、四年間で一つでもいいから、自分の中で自信をもって何かをやり遂げてほしいです。そして、自由な時間が取れる今、本もちゃんと読んでほしいです。自分で考えるための土台がしっかりしていれば、あとは自分の力で成長できますので、その基礎を学生の時に作ることが大切だと思っています。Qどのような研究をされているのですか?A私の研究は、電気化学と化学教育の二本立てです。電気化学という学問は、化学エネルギーを電気エネルギーに変えたり、逆に電気エネルギーを使って物質を作ったり分解したりする分野で、吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞したリチウムイオン電池も含まれます。その学問の中で、電極と溶液の界面で起こる化学反応について研究しているのが私の専門分野です。簡単に言うと、電気エネルギーを使って、硝酸イオンなどの環境汚染物質を無害な物質に変えるための基礎研究をしています。具体的には、電極の表面にある原子の並び方などを精密に制御することで、目的の化学反応が進むために必要な要因を研究しています。化学教育に関しては、中学校理科の化学分野や高校化学に関わる教材について学部生や大学院生と一緒に研究しています。Qどのような学生生活を送られていましたか?A私は教育大学の旭川校(旭川分校)を卒業していて、化学の勉強を一生懸命やりました。化学など理科全般は得意でしたが、文系の科目は少し苦労したこともあります。苦手科目は、場合によっては一夜漬けで試験にクリア これからの先生には、子どもたちが主体的に学ぶことができるよう、学びのコーディネーターの役割も求められています。そのためには、得意分野で(「黙ってついてこい」では無い)リーダーシップを発揮できる人になってほしいです。いろいろな人がいろいろな点からリーダーシップを発揮して、みんなで協力して物事を進めていくことが求められていると思いますので、札幌校の学生にもそんな先生になってほしいです。主体的に学ぶこと、学びのコーディネーターへキャンパス長からのメッセージインタビュアーの声札幌校・教員養成課程・言語・社会教育専攻・社会科教育分野2年藤田 あい(ふじた あい)田口先生にはお忙しい中でしたが快く取材に協力していただき、丁寧にインタビューにお答えいただきました。大学時代のことなどなかなか聞くことのできないお話もしていただいたのでとても楽しいインタビューとなりました。ありがとうございました。札幌校について話す田口先生20