ブックタイトル教育大学園情報誌32号
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教育大学園情報誌32号
減らすことに努めています。また、私個人の例でいうと、担当している子が勉強が苦手で、私たちが準備して持って行った学習プリントに取り組んでくれなかったことがあります。そこで、学習の時間ではあるけれど自分の好きなことをさせてもいいのではないかと考え、図工が好きなその子に対してはさみの使い方だったり、実験のようなことをして理科につなげたりしました。一枚のプリントを終わらせることも大事だけれど、みんなに自慢できるような得意なことをしているときにとてもいい顔をしていて、「やって良かったな」と思いました。―やりがいが感じられますね。一方でサークル活動での大変なことはどんなことでしょうか?佐藤 大変なことは正直多いです。一人ひとり発達段階も違うし、苦手なことも得意なことも違うので、それに合わせた教材を毎回考えてつくって持っていくというのは大変です。一生懸命準備してもその日の気分で子どもたちがやってくれなかったりするので、何種類か用意して、どれがその子の興味を引くかを考えています。子どもたちとの関係づくりは本当に大変なのですが、教育現場に就く前にその子に合わせたオリジナルの教材をつくることが大事で、「私たちなら受け止めますよ」という気持ちが伝わるように意識して活動を行っています。―子どもたちの思いを最大限にくみ取るように活動しているのですね。それでは、これまでの活動でどのような成果があったかを教えてください。佐藤 子どもにつく担当は、子どもたちの学年が変わったとしてもそのまま持ち上がりになるのですが、中学生になると中学生担当に替わって、今まで六年間担当してくれた大学生と離れてしまいます。それを機に、「まりもサークル」の活動に来たくなくなってしまう子どもたちも多いので、月に一回、六年生を対象に中学生担当と交流をする時間を設けています。そうすることで環境の変化によるショックを釧路校のサークルには、何らかの事情で親元にいることができない子どもたちが暮らす「まりも学園」という施設へのサポート活動を行う「まりもサークル」があります。どのような活動を行っているのか、どんな思いを持って取り組んでいるのかを紹介していきます。とができるし、「いつか心を開いてくれる」と信じて声掛けやアプローチを毎回考えた結果、「この人と会えて良かった」と思ってくれることがとても力になります。―なるほど、大変なことでも自分の力になっていると実感しているのですね。それでは今後はどのような活動をしていきたいと考えていますか?佐藤 今までの活動に加えて、今私たちに見えている課題の解決と、子どもたちが「学生と会えて良かった」とか「楽しかったな」と思ってくれる一時間をつくれるようにこれからも目指していきたいと思います。―大学生がここまで特別支援を考え、試行錯誤を繰り返し子どもたちと深く向き合っていることを多くの方に知ってもらいたいです。 将来教員を目指す私たちにとって、子どもたちが充実した時間を過ごすためにはどのような支援が必要なのか、どのようにその環境を整えることができるかを考える力が求められます。「まりもサークル」では、大学の講義を受けるだけでなく実際に特別な配慮が必要な子どもたちがいる施設に支援活動をしに行き、何ができるのかについて毎週の活動と反省を繰り返し、スキルの向上を目指しています。これまでの成果やこれからの目標、特別支援への思いをサークル代表の臨床教育学研究室三年生佐藤穂都里(さとうほとり)さんに聞いてきました。―サークルではどのような活動を行っているのかを教えてください。佐藤 活動自体は一時間の活動で、小学生は三十分で時間を区切り前半遊び、後半学習という分け方にしています。小学一?三年生と四?六年生の二グループに分かれていて、一?三年生が前半遊びをしていたら四?六年生は前半学習をしています。場所は、教室と体育館を使って分かれて行っています。中高生もいるのですがその子たちは図書館で受験勉強をしています。ただ、勉強だけでなく、大学生とお話をしたくて来ている子もいるので、そこは工夫して行っています。―どのような活動目標を持って活動していますか?佐藤 活動目標というものは立ち上げてはいないのですが、いろいろな事情を抱えた子どもたちがいて、施設にいても大人の人たちに一対一でちゃんと向き合ってもらえる時間は限られてしまいます。私たち学生が、その子としっかり向き合うという時間をつくることや受け止めるこいくつもの教材を準備して一人ひとりにアプローチ大学生がつくる「子どもたちが安心できる時間」佐藤穂都里さん釧 路インタビュアーの声釧路校・教員養成課程・地域・環境教育専攻2年小笠原 紀佳(おがさわら のりか)一人の子に対して試行錯誤を繰り返し、いくつもの教材の中から当てはまるものを探すことは相当な労力と時間を使います。授業の合間を縫って特別支援に対して思考をめぐらす姿勢を見習い、私自身も学ぶ意識をより高めたいと感じました。活動の反省の様子まりも学園での活動の様子16