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概要

教育大学園情報誌32号

11 Spring/Summer 2020 No.32 右/実習での授業実践や模擬授業を通し、授業力も身に付けました。左/大学での4年間、自分が学びたいことに尽くしました。02佐藤 永恋さん(教育発達専攻)インタビュアーの声旭川校・教員養成課程・教育発達専攻3年横山 彩夏(よこやま さやか)4年間、同じ「教育」という学びを受けてきた2人ですが、それぞれの捉え方や考え方の違いで将来進む道がこんなにも変わってくるということが対比することで見えてきました。大学は自分が本当にしたいことは何なのか、さまざまな体験を通して自分を見つめなおせる場であると実感しました。先生になってください!」「先生の授業楽しかったよ!」と言われ、本当にグッとくるものがありました。四年間、たくさん専門的なことを勉強してきたのですが、今の知識だけでは絶対に子どもたちのニーズに応えきることはできないと、実習のなかで感じました。そんなとき、医療や福祉などの専門機関等があり、教員の研修の機会などを通して自分自身学び続けながら教員生活を送れることを知りました。札幌市の場合は、支援学校や通常学校の支援学級、さらには通級指導教室など、さまざまな形でさまざまな子どもと関わりながら働ける可能性があります。各実習での体験や大学での専門的な学びを生かし、多様な子どもたちの教育に携わっていきたいです。 佐藤さんは、教員免許を取りながらも、北海道警察での就職が決まりました。│ 佐藤さんも、小学校と特別支援学校での実習に行かれたと伺いましたが、どのような体験が印象に残っていますか?佐藤さん 私は特別支援学校実習において「作業学習」を担当しました。さまざまな分野からなる作業学習のうち、私は窯業を用いた授業をしました。学級や学年の枠を超えた編成で授業を行うことが作業学習の特徴です。全生徒たちの実態把握をしたうえでの授業が求められるので、自分の配属学級の生徒だけでなく、他学級や他学年の生徒とコミュニケーションを取るように心がけました。それでも、多くの生徒たちと信頼関係を十分に構築することは簡単ではなかったです。│ 関わり方も、それぞれの特性に合わせる必要があるのですね。それは小学校実習ではなかなか体験できない授業の形ですね。佐藤さん しかしその分、教員の方々も学年や学級の枠組みを超えて協力してくださりました。生徒の実態を細部まで把握したうえで、生徒たちの将来の職業生活や社会自立を目指し、生活する力を身に付けさせることへとつなげる授業を行われている教員の姿につよい感銘を受けました。│ 警察官として就職することを決められたそうですが、教員としての道は候補にはあったのですか?佐藤さん 大学入学時は、教員志望だったんです。しかし、所属するゼミで特別支援教育や、児童虐待の問題、青少年の健全育成について学ぶうちに、教育というものは学校現場に限ったものではないということに気がつきました。教員以外でも子どもの育成に関わることができると思ったのです。そして、特別支援学校での教育実習やボランティア活動などでさまざまな体験をするなかで、「教育の場は地域の中にあり、その地域というものは多くの人々によって構成されている」ということを実感し、地域そのものとより深く関わりたい気持ちが強くなり、警察官になることを決意しました。│確かに、学校以外にも子どもの育成の場は成立するのですね。佐藤さん はい。学校に通う子どもだけでなく、同じ地域に住む幅広い年齢層の方々と直接顔を会わせてコミュニケーションを取ることで、教員とはまた違った角度から子どもや青少年の育成に関わることができるはずだと考えています。自分の故郷であるこの北海道で警察官という立場で、教育について学んできた自分なりの方法で、地域の人々に関わっていきたいです。│四年間、教育という分野を専門的に学んだことは佐藤さんの強みですね。地域と学校の架け橋のような存在になってほしいと思います。教育実習での印象的な体験気持ちの変化と決断さ とうえ れん