ブックタイトル教育大学園情報誌31号
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教育大学園情報誌31号
夢に向かって走れ!希望を胸に日々活動する教育大生たち道央篇〈上〉札幌校巻頭特集 ところで、札幌校の敷地内に畑があるのをご存じですか。インタビューの後、出口先生が管理している畑を見せていただきました(写真④)。さまざまな栽培方法を実際に試してみるという教育環境が、しっかりと整っているのに感心しました。 次に、理数教育専攻・理科教育分野の渡辺理文先生〈専門:理科授業の分析〉の研究室に向かいました。4年生の菊池遼太さん、佐野綾音さんと渡辺先生に、いろいろお話を聞きました(写真⑤、右から渡辺先生、菊池さん、佐野さん)。 渡辺先生によると「授業自体を研究しているのが、この研究室の一番の特徴です」とのこと。たとえば、佐野さんの場合は「小学校に行って研究しているのですが、この段階では能動的学習者(授業に積極的に関わる子供たち)と受動的学習者(受け身の子供たち)の2パターンがあり、前者が後者にどう働きかけて共に成長していくのか、などがテーマです」。菊池さんは「高校でのICT機器を用いた授業を対象に、その特徴や効果などを教育学的な視点で捉えようとしています」といった具合です。 佐野さんと菊池さんに、将来の夢についても伺いました。佐野さんは「教員になったら、子供たちができるだけ長い時間お互いに交流するような授業をしてみたい」、菊池さんは「人生80年程度しか生きられないと思うので、その中で、できる限りいろいろな未知の経験を重ねていきたい」とのことでした。 理科教育分野というと、つい物理学・化学・生物・地学の4領域をイメージしがちですが、意識調査、教材開発、授業分析というのも、大切な柱であると、認識を新たにしました。 最後に、学校教育分野・教育学専攻の山田真由美先生〈専門:教育哲学〉の研究室を訪ねました。3年生のゼミで、川口莉奈さん、村松真麻さんのお二人と大学院生1 年の川元藍さんが受講していました( 写真⑥、右から川口さん、山田先生、川元さん、村松さん)。 この日は、村松さんが要約したテキストのレジュメをもとに、「みんなで読みながら、筆者が何を考えているのかということを理解して、語り合います。そして、我々がこれをどう引き受けるかを考えます。今日は『教育者とはどういう人間なのか』がテーマです」(山田先生)といった授業内容でした。 とりわけ印象に残ったのは、山田先生の「哲学が対象なので、そもそも私がこのゼミで教えることはありません」という言葉でした。「知りたいという思いだけで集まっているゼミです。ゼミ生それぞれが教育や人間について探求することが目的なので、何か問題があれば哲学の専門知識のある私が解説はしますが……」とのこと。 どうやら、道徳教育とどう向き合うか、表層的な理解ではなく、その内側にある本質的な意味を追及するということが主眼になっているのではないか、語り合うみなさんを見ていて、そう感じました。 帰り際に2階講堂入口で、平成30年の北海道美術協会主催「第93回道展」で最高賞となる北海道美術協会賞を受賞した、花輪大輔先生(札幌校)の受賞作品「意志」を鑑賞しました(写真⑦)。文字通りの大作で、その重厚な質感と存在感に圧倒されました。 ということで、札幌校の取材もあっという間に終了しました。どこのキャンパスでも同じですが、ここでも夢を追うたくさんの光が確かに見えた、そんな貴重な体験でした。写真⑤写真⑥写真⑦写真①2