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概要

教育大学園情報誌31号

― JENESYS(ジェネシス)というプログラムを利用して東ティモールに行かれたそうですが、JENESYSとは何でしょうか? 日本の外務省が推進する「対日理解促進交流プログラム」のことで、将来を担う人材を日本に招聘したり、また日本から派遣したりして日本の魅力を積極的に発信することで、対日理解を促進する目的で行われています。このプログラムの対象国は東ティモールを含むアジア大洋州地域の他に、北米や中南米地域などもあります。今回の東ティモールへは、日本の3大学から審査を通過した各6人が派遣され、9日間行動を共にしました。外務省管轄のプログラムのため、渡航費や滞在費などは一切かからずに行くことができました。― 印象的だった現地での出来事はありますか? 現地の人がとにかく優しくて人懐こいことです。現地に到着すると、たくさんの人が温かく迎えてくれたり、滞在したホテルの方が毎朝「ボン ディア(おはよう)」とあいさつしてくれたりしました。あいさつは町を歩いていても交わされました。また、派遣中に現地の学校を何度か訪問して、授業を観察したり、プレゼンをしたりしたのですが、毎回現地のダンスで歓迎してくれました。この温かさに慣れてしまっていたため、派遣期間が終了して東京で解散した時は、あいさつもせずに通り過ぎていく周りの人々のことを冷たく感じてしまいました。(笑)― 派遣を通して学んだことを教えてください。 頭がパンクしそうになるほど多くのことを学んだのですが、特に強く印象に残っていることは、東ティモールはインフラが整っていないため、勉強したいのにできないという現状についてでした。授業をして函館校・国際地域学科・地域協働専攻・国際協働グループ2年澤口 心(さわぐち こころ)さん2019年2月19日~ 2019年2月27日期間いてもブレーカーが途中で落ちてしまうため、授業を円滑に進めることができません。整った学習環境がみんなに与えられている日本では、やる気がなくても学ぶことはできます。一方東ティモールでは、学習できる環境にある一部の子どもたちみんなが一生懸命勉強に取り組んでいます。そのため帰国してからは、私も勉強を頑張ろうと思うようになりました。― 東ティモールに行った感想を聞かせてください。 帰国後、東ティモールであったことを友人に話すと、みんなが「東ティモールに行ってみたい」と言ってくれることがとてもうれしいです。私自身、海外に行くことが初めてだったため、派遣前はとても不安でしたし、経由地のインドネシアに到着した時に実は「帰りたい」とホテルの同室の仲間に話していました。しかし、ホテルのレストランでジュースを頼んだとき、ジュースを作っていた方に話し掛けてみるととてもフレンドリーに対応してくれて、サービスまでしてくれました。これをきっかけに海外に対する怖いイメージが払拭され、楽しく過ごすことができました。初めての海外はとてもいい思い出に恵まれたので、これからも、海外に行く授業に参加したり留学や旅行をしたりして、どんどん海外に行ってみたいと思っています。函 館キャンパス東ティモール|国|際|交|流|ニ|ュ|ー|ス|International exchange news2019年2月19日~2月27日にJENESYSというプログラムから、函館校を含む日本の3つの大学より各6人が東ティモールへ派遣されました。聞き慣れないプログラム名に、行ったことがある人は少ないであろう国。今回は、函館校から派遣された6人のうち澤口心さんにお話を聞きました。インタビュアーの声函館校・国際地域学科・地域協働専攻・国際協働グループ2年洞内 真琴(ほらない まこと)どこまでも深く掘り下げられるような、面白いお話がたくさん聞けたインタビューでした。インタビュー終了後も「まだまだ話せる」と言って、私の小さな質問にも快く答えていただき、本当に多くのことを知ることができました。ありがとうございました。東ティモール派遣記パソコンを見せながらインタビューを受ける心さんと、学生スタッフ訪問先の学校でのダンスによる歓迎一年中夏の東ティモールのビーチ訪問先の学校の生徒たちと海外の印象を変えてくれたホテルの人ホームビジット(訪問先の 太鼓で現地の人々と交流生徒の家庭にお邪魔する)先の家族と「タイス」という東ティモールの伝統織物のマーケット日本とは異なる現地の食べ物人懐こい生徒たちふっしょくしょうへい19 Autumn/Winter 2019 No.31