ブックタイトル教育大学園情報誌31号
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教育大学園情報誌31号
る組織のもとで行われています。そのため活動の企画・活動場所の準備・活動後の反省等、常に連絡を取り合っています。― 将来教師になる私たちにとって、保護者の方と関わる経験を積めるということはとても貴重な機会ですね。山下 参加者さんのことを一番よく知る保護者の方と連携して活動できるため、参加者さんはどのような活動を求めているのか、またどのような点に注意するべきか、学生側が全員しっかり把握したうえで接することができます。―では活動を行うなかで大変なことはありますか?山下 参加者さんの特徴が人それぞれであることや年齢層が幅広いことから、毎月どのような活動を行うかについてとても慎重に考えなければならないことです。準備不足だとトラブルも起こってしまいます。それを事前に防ぐためにも、活動場所の下見や当日の流れは会議で念入りに確認します。―一回一回の活動に多くの時間を費やして準備をしているのですね。では最後に、活動中に障害のある方々と向き合ううえで大切にしていることを教えてください。山下 まずは、参加者さんの「休日」であるということを忘を行ったりもします。―普段行うのが難しい、野外活動も体験できるというのは非常に魅力的ですね。活動はどのような流れで行うのですか?山下 活動内容をその回のリーダーを筆頭に決め、道具の準備や教授・参加学生を集めた会議を行い、当日の活動を運営します。また、活動後には参加者さんの活動時の様子を保護者に直接伝え、全体で反省を行います。―なるほど、保護者との関わりもあるのですね。山下 はい。もともと、らぽらぽの活動はすべて「どんまいの会」「自閉症児者親の会」という、保護者の方々が運営してい発達障害のある方々の余暇支援を目的とした旭川校のサークル「らぽらぽ」。さまざまな活動を運営されていますが、実際にはどのような流れで行われているのか、発達障害の特徴にも触れながら紹介していきます。れずに楽しく過ごしてもらうように心がけること、そして「障害がある」ということを意識しすぎずに関わることです。―意識しすぎないというのは具体的に言うと?山下 障害の有無に関わらず、誰にでも得意不得意があるのは当然です。参加者さんにできないことがある分、参加者さんにしかできないこともたくさんあります。なので、「支援する」という意識を持たずにあくまでも「一緒に経験する」という意識のもとで行っています。―どのような人と関わるうえでも大切なことですね。学生側がそのような意識を持って臨むことで初めて参加者さんも楽しい休日を送れるのでしょうね。 発達障害には大きく分けて、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害の3タイプがあります。しかし、診断名が同じであっても一人一人症状や特徴は異なります。らぽらぽの参加者は、この三つのうちの「自閉症スペクトラム障害(以下、自閉症)」のある方です。その皆さんの休日(余暇)を楽しく過ごしてもらうための支援を行うことを目的としたのがらぽらぽの活動です。 具体的にどのような活動を行っているのか、どのような魅力があるのか、サークル代表の教育発達専攻三年生 山下日菜子さんにお話を伺いました。―まずは参加者の皆さんが抱えているという「自閉症」の特徴を教えてください。山下 自閉症の方の主な特徴としては、特定の動きや感覚にこだわりが強いこと、人とのコミュニケーションが苦手であることなどがあげられます。しかし、特性は人によってかなりさまざまです。―余暇支援をすることが目的ということですが、休日を楽しく過ごすためになぜ支援が必要なのですか?山下 先ほどあげた自閉症の特徴のなかに「コミュニケーションが苦手」とありましたよね。よって休日に友達と遊ぶことも簡単にはいかないため、どうしても一人で過ごしてしまいがちです。そこで充実した休日を過ごすためのお手伝いをします。―休日に多くの人と過ごすことでコミュニケーションを取る機会も増えるという面でも参加者さんにとって大切な活動かもしれませんね。では、主にどのような活動を行うのですか?山下 まずはボランティア自身が楽しいと思う活動を行うことを大切にしています。さまざまな種類の活動があり、調理活動や運動、登山やキャンプボランティアサークル「らぽらぽ」の活動から学ぶ特別支援教育とはみんなで旭岳登頂に挑戦してきました。毎年4月2日の自閉症啓発デーに、旭川のCoCoDeにて点灯式を行っています。あたり一面が自閉症のシンボルである青色に染まります。季節に合わせた活動も大事にしています。雪にカラフルな色をつけて遊びました!旭 川レポーターの声旭川校・教員養成課程・教育発達専攻3年横山 彩夏(よこやま さやか)教師を目指している、とくに教育発達専攻の私たちにとって特別支援教育の知識は必要不可欠ですし、すべての学生が講義を受けています。しかし、知識だけでなく、実際に関わるという経験が非常に重要だということを感じました。この記事を通して、少しでも多くの学生が特別支援教育への関心を持ってくれることを願います。16