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概要

教育大学園情報誌30号

岩見沢キャンパス―入学してすぐに企画書作りとは、なかなか大変でしたね。藤本 どんな材料がどれだけ必要かが分からなかったり、問題は山積みでした。そこで、青森のプロのねぶた師の竹浪比呂央(たけなみひろお)さんという方に電話して、いろいろ相談することにしました。快くたくさんのことを教えてくださって、完成までの間、何度もお世話になりました。ゴールデンウイーク中に青森にある竹浪さんの工房にお邪魔して、作り方を一から教えていただいたりもしたんです。とても勉強になりました。―プロの指導もいただきながら、七月中旬から作り始めたんですよね?藤本 そうです。予定よりかなり遅くなってしまって。一カ月で完成させなきゃいけなくなってしまいました。本来、ねぶたは一年間しっかり時間をかけて作るものなんです。美術デザインコースのメンバーにイメージ画や粘土の模型を作ってもらって、すぐ骨組みを作り始めました。本場の青森でも、ねぶたは設計図を作らずに、絵と模型を基にして形を作っていきます。足りなければ木材と針金を足して、要らなければ支えの木ごと切って削ります。そうしてできた骨組みを、会場の岩見沢駅有明交流プラザに持って行って、ねぶた作りのワークショップと公開制作を始めました。―子どもたちも参加したようですが、反応はどうでしたか?藤本 予想よりも少ない三十人程度の参加人数でしたが、和紙を貼ったり、色を塗ったり、ねぶたの作り方を楽しんでもらえたと思いまインタビュアーの声大学院教育学研究科・教科教育専攻・美術教育専修・絵画分野1年津田 光太郎(つだ こうたろう)す。北海道の形の部分は、子どもたちに自由に塗ってもらいました。七日間のワークショップに毎日、おばあちゃんと一緒に来てくれた子もいて、「来年もまたやってほしい」と言ってもらえました。―今後の活動についてはいかがですか?藤本 ぜひ、続けていきたいと思っています。今年出た課題を克服して、もっと良いプロジェクトにしていきたいです。一年生だけでなく、他の学年の人たちにも手伝ってもらったり、今度は屋外でワークショップを開けないかな、と考えています。せっかく、美術文化専攻にいて、手伝ってくれる仲間がいるので、各コースの得意分野を活かせるプランを模索しています。これから毎年続いていけるプロジェクトを目指していると語る藤本さん。岩見沢と青森、地域と地域を結ぶ新しい波になっていくと良いですね。新1年生の希望のあるフレッシュな話題に触れることができて、やる気と勇気が湧いてきました。ものを作る、イベントを起こすのは、そう決めた瞬間から始めることができます。良い結果にならずとも、始めたほうが面白い。そういう生き方が好きです。出来栄えと課題03来年度「vol.2」に向けて04藤本 悠平さん地域の小学生たちも手伝ってくれました北海道の彩色は子どもたちが考えたもの13 Spring/Summer 2019 No.30