ブックタイトル教育大学園情報誌29号_電子書籍

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教育大学園情報誌29号_電子書籍

 学習指導要領には、理科の指導の目的として「自然に親しむ」「自然を愛する心情を育てる」「野外観察を重視する」ことが明記されていますから、教員側が自然を理解している必要があります。しかし、現職教員は、地学分野を教えるに当たって苦手意識があるようです。この研究施設を利用して身近な自然教材を活かした実習を行うという経験が、学生たちに、郷土の自然の成り立ちなどを熟考し認識を深めていく、良い契機を与えていると考えています。―大雪山自然教育研究施設の魅力を教えてください。 この大学に来た一九八四年からずっと利用していますが、一番の魅力はゆったりと間近で自然を楽しめることです。この施設にいると、まるで自然に溶け込んでいるような気持ちになります。夏場は登山などの自然体験学習や実習、卒業研究、冬場はスキーの活動拠点にもってこいの施設環境だと思います。学生だけでなく一般の方も利用できるので、自然を慈しむ活動が、ここを拠点に広がってほしいですね。―ありがとうございました。野外実習植物学分野―履修した学生に伺います。この実習にはどんな狙いがあるのでしょう。 低地と高山帯に生育している植物相を知ることで冷温帯の植生を擁する北海道の自然環境を理解することです。北海道の自然環境の希有な特徴について、体験的に学びます。旭岳では、日本有数の高山植物相を学ぶことができます。理科教員を志す上で、フィールドワークや植物の知識は必要不可欠なものです。そのため、この実習はとても重要だと思っています。―植物学分野の実習の詳細を教えてください。 春先の旭川市内の低山から始まり、八月上旬の旭岳周辺の植生観察と登頂で終わりを迎えます。低山地での活動では、フィールドワークや植物観察の基本から学び、旭岳との比較の準備をします。旭岳での実習は二泊三日です。一日目と三日目は、旭岳山麓の中間的な標高のフィールドで、植物の標本採集を行います。二日目には大雪山の高山植物を観察します。高山植物は、生育地のみならず開花期間や個体数も非常に限られています。その観察を通して、植物の多様性、植物相、植物群集の構造へと関心を深めます。―実習を通して学んだことや発見したことを教えてください。 低山でのフィールドワークでは、普段の 旭川校から約五十㎞、旭岳の山麓に、大雪山自然教育研究施設「六稜山荘」があります。旭川校の理科教育専攻の学生は、野外実習やゼミ合宿などの活動拠点として利用しています。大雪山国立公園の雄大な自然環境の中で展開されている?面白い“教育活動をご紹介します。野外実習を担当される和田先生、野外実習植物学分野の履修学生と、植物ゼミの合宿に参加した学生にお話を伺いました。野外実習火山分野―和田先生、よろしくお願いします。まず実習の内容について教えてください。 六稜山荘に到着するまでの道中で、柱状節理や山麓の溶岩・火砕流などの火山噴出物を間近で観察します。到着後は、学生が事前に大雪山の地形や気候について調べてきたことを発表する時間を設けています。登山をしながら山の地形を見たり、火山噴出物の観察やスケッチを通して噴火の規模や火山の成り立ちを考察することが実習のメインです。―実習を通じて、どんな成果があったか教えてください。0102旭 川キャンパス? 特集 ?  面白いこと、やっています。大雪山麓の大学施設「六稜山荘」で展開される魅力的な教育コンテンツ天空のお花畑。高山植物の女王チングルマピウケナイ川の柱状節理6