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概要

教育大学園情報誌28号

保健管理センター発健康診断の結果を活用しましょう皆さんの多くは、小学校に入学してから毎年、健康診断を受けていると思います。大学でも毎年、学生の健康診断を実施していますが、皆さん、ただの受けっ放しになっていませんか?健康診断とは、義務だから仕方なしに受けるというものではなく、皆さんが健康な体を保つために、現在だけではなく将来の皆さんにとっても非常に役に立つものです。上手く使わないなんて、もったいない!定期健康診断を受ける理由 皆さん、毎年、どこも体の調子は悪くないのに、どうして健康診断を受けなければいけないのだろうと思ったことはありませんか?あるいは、ほとんどの人は、とくに何も考えずに健康診断を受けているかもしれません。児童・生徒・学生の健康診断は、毎学年定期に実施することが学校保健安全法(第十三条)に定められていますが、単に法律で決められているということだけでなく、健康診断には大事な目的があります。健康診断を受ける目的の第一は「どこも悪くないことを確認する」ということです。自分では「どこも悪くない」と思っていても、実は気づいていないだけかもしれず、本当にどこも悪くないのか確認することはとても大切なことです。第二の目的は、「自分では気づいていない病気や異常を早くに見つける」ことです。大学生は、おそらく、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気にかかるリスクが最も低い年代ですが、腎臓疾患や甲状腺疾患などは若い年代でも多く見つかる病気で、本学でも毎年発見されています。これらのほとんどに本人は全く気づいておらず、健康診断は早期発見の機会としてたいへん重要です。異常を指摘されたら 絶対に放っておかない! 大学生は、今すぐ心筋梗塞や脳卒中にかかるリスクは低いのですが、将来こうした病気になってしまう下地は、20歳代の若い頃からすでにでき始めています。また、糖尿病は、以前は中年になってから患うことが多い病気でしたが、今では大学生くらいの若者にも増えていることが問題になっています。入学時の血液検査、毎年の尿検査で異常を指摘されたり、体重が年々増え続けたりしているような場合、将来つらい目に遭いたくなければ、決して放ったらかしにしてはいけません。健康診断結果ポータビリティー、 トレーサビリティーの試み 健康診断の結果は、その年だけでなく、その後の経過を追って行くことが大切です。とは言っても、卒業後や他大学の大学院に進学した人が学部時代の健康診断結果を取り寄せることは、以外と手間がかかります。健康診断結果は、本来はその個人に属する所有物ですから、自分の健康診断結果のデータベースにいつでもアクセスして利用できるようにし、将来、職場の健康診断結果を学生時代のものと比べたり、経過を追ったりして、自分の健康管理に活用することができる仕組みが望まれます。現在、こうした試みにも着手されているところです。(保健管理センター・センター長・羽賀 將衛)は がまさえ22