ブックタイトル教育大学園情報誌28号
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教育大学園情報誌28号
札幌校キャンパス長並川 寛司 先生(なみかわ かんじ)札幌校・理科教育専攻教授。1999年博士号(農学)取得。生物学を専門に、森林での野外研究を主に行う。日本植生学会、日本生態学会に所属。PROFILE2017年10月から札幌校の新キャンパス長となられた並川先生にインタビューしてきました! 学生時代のお話など、幅広い質問に丁寧に回答してくださいました。Q札幌校の雰囲気や学生の印象はどうでしょうか?A私は森林の研究者なので、構内にもっと樹木があったらいいなと思っています。でも樹木が多くなると、それなりに管理が必要ですので、財政を考えると仕方ないかなと思います。学生に関しては、素直で真面目な学生が多いと思います。その反面少しおとなしいかなといった印象です。私も積極的に質問したりする学生ではありませんでしたが、活発な発言があると、講義もより良いものになっていくのではないかと思います。Q新学習指導要領についてどうお考えですか?A「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点である「既習の知識や新たに得た知識を活用して新たな課題を見い出す」「課題を解決するための実験方法を考える」「生徒によって異なる結果が出た場合に、その要因や妥当性を考察し、議論する」などのことは、研究に取り組むときのプロセスと同じです。これは社会で仕事をするときにも必要なことです。大学でこのことを経験し、しっかりと身に付け、子どもたちの指導に当たってほしいと思います。Q新キャンパス長として、札幌校のこれからについてどうお考えですか?A大学は私たち教員、職員、そして学生の皆さんがつくっていくものです。学校づくりには学生からの意見が大事だと思っています。二〇一八年度から発足される学生自治会、あるいは担当指導教員の先生たちを通して、授業や学習環境、課外活動の施設などさまざまな要望を挙げてもらいたいです。札幌校では最近、トイレの改修がありました。これも学生の声があったからです。経費の問題で実現は難しいこともあるかもしれませんが、皆さんが「来て良かった」と思える大学になるよう、少しずつ良くしていきましょう。Q本キャンパスの学生へのメッセージをお願いします。A大学として四年間を大事に過ごしてほしQどのような学生時代だったのでしょうか?Aワンダーフォーゲル部に所属しており、札幌近郊や大雪山、遠くは利尻山などたくさんの山に登りました。冬は好きなスキーでの下りを楽しみ、夏はたくさんの植物の観察ができました。当時は土曜日も午前中に講義があり、大きな荷物を背負って行くと担当指導教員の先生に「また山ですか」とあきれられていました(笑)。この登山の経験が、その後の研究のフィールドワークの基礎になっています。Qキャンパス長となられたときのお気持ちをお聞かせください。Aお話を頂いたときの気持ちから言えば、青天の霹靂でした。二〇一七年四月から、退職までの残りの三年間で大学での研究のまとめをするために活動していたので、計画通りに進められなくなってしまったと、正直なところ残念な気持ちを持ちました。しかし、これもさまざまなことのめぐり合わせの結果と受け止め、大学での最後の仕事として、自分の出身校でもある札幌校を「この大学に来て良かった」と思って卒業していく学生が一人でも多くなるような大学にしたいという気持ちを持つようになりました。いと思います。経済的な困難を抱えている人も多く、アルバイトに時間を割かなければならないことも承知していますが、自分の時間をつくり出し、その時間を自分自身のために使ってほしいです。アルバイトを通じて学ぶこともたくさんあると思いますが、束縛の無い、自分のための自由な時間を持てるのは今だけだと思います。”人間としての魅力“は教員にとってはもちろん、その他の職種についても大切なことです。自由な時間を使って自分を磨き、魅力ある人間になってください。キャンパス長ということで緊張していましたが、穏やかな先生で、リラックスできました。学生のことをよく考えてくださっていて、とてもうれしかったです。インタビュアーの声札幌校・教員養成課程・言語・社会教育専攻・国語教育分野2年稲葉 拓紀(いなば ひろき)「この大学に来て良かった」│そう思える大学づくりをめざしてキャンパス長からのメッセージへきれき20