ブックタイトル教育大学園情報誌28号
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教育大学園情報誌28号
夢に向かって走れ!希望を胸に日々活動する教育大生たちはじめまして、本誌編集局長の宇田川 耕一(岩見沢校)です。ようやく春が来ました。北海道はとにかく雪が多いですね。私は東京都葛飾区生まれなので、北海道に通算13年住んだ今ではだいぶ慣れましたが、それでも毎年雪道で転びます。下を向きながら歩くのに疲れたころ雪が次第に解けてきて、ある日ふと空を見上げたとき、空の青さに春の訪れを感じます。そして、大学にも新入生が大勢通い始め、心が浮き立つのがちょうどこの時期です。 そこで今回は春というスタートの時期にふさわしく、希望を胸に日々走っている本学学生の、それぞれの夢に迫ってみようと思い立ちました。では、どこに取材に行こうかと考え、まず岩見沢から最も離れた、道東の釧路校に進路を決めました。普段とは違った景色から、新たに見えてくるものがあるかもしれません。道東篇 釧路校に着いて最初に向かったのが、地域学校教育専攻・授業開発分野の廣重真人先生の研究室でした。情報教育がご専門ですが、「情報技術」「音楽」「木工を中心としたものづくり」の3本柱のどれか、または複数に関わるさまざまなことに取り組んでいます。廣重先生の研究室はまるで玉手箱のようで、大道具や小道具、自作の楽器(パイプオルガンまで作ったそう)、3Dプリンタ、科学実験道具などで埋め尽くされています。 訪れたのは1月中旬でしたが、週末の1月20日、21日に迫った釧路市こども遊学館でのサイエンスショーの準備が、ちょうど佳境に入っていました。そこで一際目を引いたのが、巨大な恐竜のしっぽです。「ほのか動物園のしっぽツアーへようこそ」というショーの大道具とのことで、企画・製作・出演をすべて担当している藤川歩野香さん(3年)、綿引大介さん(1年)に話を聞きました。 藤川さん「小さい頃はとにかく教員になりたかったのですが、このキャンパスでいろいろな経験を重ねて、今は子どもたちと関わること自体が楽しいと思うようになりました。出身は山梨ですが、地元でサイエンスショーを企画できればと夢見ています」。 綿引さん「製作は地道な作業ですが、発表のときに子どもたちの目が輝くのを見るのが喜びです。教員になるのが夢ですが、釧路校は座学ばかりではなく実践ができるので、教育現場で力を発揮できるという期待感があります」。 次に向かったのが、図書館の新施設(グループ学習室1)で行われた、学校カリキュラム開発専攻・美術教育の佐々木宰先生による授業です。学生がそれぞれ立てた学習指導案に基づいて模擬授業をし、他の学生は生徒役に回るというスタイルでした。ここでは、授業案の具体的な進め方や話し方などを、聞き役の学生たちがかなり厳しく突っ込んで指摘しているのが印象的でした。同じ夢を追う者同士だからこそ、まさに「切磋琢磨」という表現がぴったりです。 最後に、地域学校教育専攻・教育基礎分野の川前あゆみ先生を訪ね、へき地教育について話を聞きました。釧路校ではへき地校体験学実習Ⅰ・Ⅱという2種類の実習を実施しています。学生たちは、まず期間中に自分たちが住む住居の準備から始まり、学生同士で一定期間寝食を共にするという貴重な体験をします。複式学級といって、2つ以上の学年を1つにした学級も多く、研究室ではその際の授業の進め方を多方面からのアングルで撮影したビデオ教材も作成していました。学園情報誌第25号(2016年秋・冬号)に川前先生の研究ファイルが掲載されているので、関心のある方はそちらもぜひお読みください。 ということで、釧路の取材もあっという間に終了しました。「日本最東端から、光を発信。」これは、釧路校のホームページで流れているキャッチフレーズです。夢を追うたくさんの光が確かに見えた、そんな貴重な体験でした。巻頭特集指導にも熱が入る佐々木先生ヴァイオリンも弾く廣重先生抜群の環境で実習する学生笑顔が素敵な川前先生綿引さん(手前)と藤川さんこれが恐竜のしっぽ2