教育・学生支援
不登校・場面緘黙(かんもく)当事者による特別講義を行いました
令和5年12月22日(金)、特別支援教育関連の授業において「当事者から語る経験談と関り方や理解への手立て」と題して、場面緘黙や不登校、ひきこもりを経験し、現在ピアサポーターとしても活躍されている大橋伸和さんによる特別講義を行いました。
授業履修者のほか、学外の教育・福祉関係者を含め、110名が大橋さんの話に耳を傾けました。
成長とともに、学校から求められることや自分の出来なさが明確になっていくなかで、自分への否定感が強まり、自信を喪失していったという大橋さん。学校というコミュニティにおいて、他者による「評価の視線」が気になり、何をするにも不安や恐怖がつきまとうようになり、自分の部屋から出られなくなったと振り返りました。
教師を目指す学生に対して、「子どもが教員に本当の悩みを打ち明けられるような信頼関係の形成が大切です。一定の価値観に合わせるのでは無く、子どもの多様な在り方が認められるかかわりの可能性を模索して欲しい。」と語り掛けました。
講義を受講した学生からは、「場面緘黙当事者の思いを聞くことは初めてだったのでとても貴重な経験をさせて頂きました。本日のお話の中で、教師が良かれと思って行っている行動が、当事者の方にとっては苦痛なものであったり、自分の思いを言葉にできない辛さであったりを知ることができ、本人の意思の尊重がどの場面においても非常に重要であると感じました」といったものや、「私は、大橋さんのお話を聞いて"普通"という言葉が印象に残りました。普通とはこれであるというように決められたことはないと思いますが、もしかしたらその場の雰囲気などが作り出しており、それが苦しいと感じる子どももいるのではないかと想像しました」といった感想が聞かれました。
釧路校・特別支援教育関連授業では、このような「当事者の語り」から学ぶ機会をこれからも作っていきたいと考えています。