2023年7月8日(土)、地域課題解決型PBL科目である地域プロジェクト「地域としての外国人労働者の受け入れ」の活動の一環として、道の駅「つど~る・プラザ・さわら」で異文化交流会を開催しました。
本交流会は、本学学生のほか、森町に新たに入国した外国人技能実習生(ベトナム人32人、中国人17人)、中国側の送り出し企業の社長、同国出身の函館校留学生に加えて団体職員の総勢66人の参加となりました。
異文化交流会では、まず本学学生から「今日から使える豆知識」として、函館の観光、生活に役立つ情報、日本の礼儀・マナーについてプレゼンし、クイズを交えて交流しました。
次に、日本の文化体験として、福笑いで一緒に楽しんだほか、短冊に願いを込めて七夕飾りを作り、最後に、マイムマイム♪で発表を締めくくりました。
以下、中国とベトナムからの本学の留学生及び本学学生からの体験報告です。
<中国人留学生 何夢真さん>
その日は通訳者として、中国とベトナムから来た技能実習生と一緒に福笑いと七夕飾り作りとダンスをしました。私も初めて七夕飾りを作りました。とても暑かったのですが、皆さんの笑顔を見て、一緒に楽しむことができました。皆さんの短冊を見ると、それぞれ夢を持って日本に来ていることがわかりました。特に、家族のためを思って日本に来ている人が多く、本当に感動しました。
もうすぐ1年間の交換留学が終わりますが、その日は、10ヶ月前に初めて日本に来た時の自分を見ているかのようでした。これからの生活がどうなるのか不安でしたが、未知な日本に興味を持っていました。
函館でよい友達ができ、異文化交流ができたことは一生忘れられない思い出です。帰国した後は、ここで学んだことを生かし、中国と他の国との交流の架け橋になりたいと思っています。
<ベトナム人留学生 チャン ティ ハンガーさん>
日本に来て約1年になりますが、母国ベトナムからの技能実習生がたくさん集まる活動に参加するのは初めてです。函館にしばらく住んでいると、ベトナム人に会うことがほとんどなかったので、この活動に参加できるのがとても楽しみでした。技能実習生の皆さん同士がベトナム語を話しているのを聞いてとても感動しました。外国で同胞に会うととても幸せになります。
今回の活動に参加して、技能実習制度について詳しく聞きました。また、ベトナム人技能実習生に家族生活や日本に働きに来る際の悩みなどについても話を聞きました。皆さんは私たちの活動に熱心に参加し、学生のプレゼンにも熱心に耳を傾けていました。
私は、家族と離れて外国で暮らすのは初めてなので、ここでの生活に少し不安がありましたが、来てみると、街の雰囲気や生活リズムが故郷とよく似ているので、安心感を覚えました。
留学中は、ベトナムにいた時にはできなかったこともできて、友達も増えて、本当に幸せでした。私の人生は以前よりもずっと面白くなりました。そして、少し自信が持てるようになりました。将来機会があれば、日本に戻って勉強し、働きたいと思っています。
<本学学生 小田島翔真さん>
今回の異文化交流会を通して、外国人技能実習生の実態について勉強すると共に、日本の文化について楽しく知ってもらうことができました。
交流会で一番印象に残ったのは、七夕飾りです。これは単に日本の遊びを知ってもらうことだけではなく、技能実習生がどのような思い、願いを込めて日本へやってきたのかについて知ることができました。技能実習生たちが書いたお願いごとの多くは、「家族の健康」、「家族のために稼ぎたい」、「日本語を話せるようになりたい」といったものでした。どれも外国人技能実習生のリアルな声であったと思います。
交流会で行ったアンケートでも、日本で働くことに対して「言語が不安である」と回答していました。言語の不安はその他の不安に比べて一番大きいと思います。それでも、自分や家族の健康と生活の安定のために日本を選んでくれる外国人がいることを、我々は大切にしていかなければならないと感じました。
日本は、世界の中でも少子高齢化が深刻な状況にあります。その労働力不足を補うためには、外国人の手助けが必要不可欠です。この現状を何とかするためにも、日本人は自分の国が外国人の働き先として選ばれることの尊さを知り、外国人を寛容に迎え入れる気持ちを持つべきではないかと感じました。