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社会貢献


芸術・スポーツビジネス専攻教員が「2021年学術奨励賞(第41回医療情報学連合大会)優秀ポスター賞」を受賞しました

 令和3年11月18日(木)~22日(日)に名古屋市で開催された、第41回医療情報学連合大会(第22回日本医療情報学会学術大会)において、芸術・スポーツビジネス専攻の鈴木哲平准教授による研究発表「自治体による健康ポイント事業の効果検証および事業評価方法の検討:傾向スコアマッチングによる介護レセプト分析」が学術奨励賞(優秀ポスター賞)を受賞し、令和4年7月1日(金)開催の第26回日本医療情報学会春季学術大会(岡山市)において表彰されました。

 研究成果のポイントは以下のとおりです。
・近年、多くの自治体において、健康寿命の延伸を目指し、市民一人ひとりの健康づくりの取り組みを推進することを目的とした「健康ポイント事業」が展開されていますが、その効果について十分に検証されていないため、本研究では、自治体による健康ポイント事業の効果を、健康寿命の延伸に関連する医療費・介護給付費と連携させて検証すること、および健康ポイント事業の評価方法を検討することを目的として、レセプトデータ等の医療情報・健康情報データベースを用いた分析を行いました。

・分析方法について、北海道岩見沢市の健康ポイント事業参加者と非参加者のレセプト情報等を用いて、応答変数を介護費抑制効果、処置変数を健康ポイント事業参加の有無、共変量を性別、年齢、介護給付費、介護度、医療合計点数・他健康事業への参加状況の有無とした、最近傍マッチングによる傾向スコアマッチングおよび層別解析を行い、事業参加の有無による介護費抑制効果の比較を行いました。

・分析の結果、健康ポイント事業参加者で介護費抑制効果が見られた人は44人(40.4%)、非参加者で介護費抑制効果が見られた人は739人(28.8%)となり、健康ポイント事業参加の有無で有意に差が見られました(p=0.013)。次に、傾向スコアによるマッチングの結果、非参加者で介護費抑制効果が見られた人は37人(31.0%)となり、McNemar検定を行ったところ、健康ポイント事業参加の有無で有意差は見られませんでした。

・本手法により、健康ポイント事業の参加者と、共変量とした変数に関して参加者に近い非参加者との比較を行うことが可能となります。医療・介護・健康情報等を連携させて、健康ポイント事業に参加した住民の効果分析が可能であることから、地域における健康づくり事業の、より適切な評価を行う上で有用であると考えられます。

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