夏 井 邦 男(なつい くにお)氏
(享年81歳)
本学名誉教授、元函館校教授 夏井 邦男 氏は、令和4年3月13日に逝去されました。
同氏は、昭和17年5月7日に北海道函館市に生まれ、昭和40年3月北海道学芸大学函館分校を卒業後、昭和45年3月國學院大學大学院文学研究科修士課程を修了、昭和48年3月國學院大學大学院文学研究科博士課程を単位修得退学されました。同年5月に北海道教育大学講師函館分校に採用され、同分校助教授を経て、昭和61年4月に同分校教授に昇任され、平成20年3月定年により退職、同年4月に北海道教育大学名誉教授の称号を授与されました。
この間、同氏は約35年の永きにわたり本学の教員として教育研究に携わり、多くの有為な人材を社会・教育界に送り出すとともに、本学の管理運営に積極的に参画し、その発展充実に多大な貢献をされました。
研究においては、日本上代語の表記についての研究を中心とした国語史研究、北海道方言語彙の歴史的な研究を行われ、特に北海道方言の語彙の歴史的研究においては、日本語の歴史的研究で立ち後れている方言、とりわけ未開とも言える北海道方言を対象に本格的な語誌研究を展開されました。著書『北海道語に残る古語』は斯界の権威である今泉博士記念賞(平成20年3月5日)を受賞するなど、当該分野において大きな成果を上げられました。
教育では、国語教育講座にあって、国語学の研究、とりわけ国語史、方言に関する分野で懇切な講義、徹底した演習による優れた指導をすすめられました。
また、本学の管理運営にあっても、函館校の各種委員会において卓越した実行力を発揮され、附属図書館函館分館長、生涯学習教育研究センター函館分室長等の重責を果たされました。平成6年10月から平成12年3月までは附属函館小学校長を務められ、学校運営に尽力するとともに、先進的な研究実践校としての役割を促進させることに力を注ぎ、附属学校の運営、研究活動の発展に大いに貢献されました。
ここに、故人を偲び謹んで哀悼の意を表します。