平成29年の春の叙勲が4月29日付けで発令され、本学関係者では、次の方が瑞寶中綬章(教育研究功労)を受章されました。
氏 名
生 年
所 属
専門分野
会沢 義雄 氏(本学名誉教授)
昭和12年生
函館校教授(昭59.10~平15.3)
音楽教育(声学)
会沢氏は、永年にわたり学校音楽教員(音楽)の養成に携わり幾多の人材を教育現場に送りだすとともに、自身の音楽活動も精力的に展開し地域音楽文化の振興に多大な貢献をされました。一方、声楽の発声学習に関する研究及びドイツ・リートにおける旋律構造の研究を行い、前者において聞こえの善し悪しを音声分析による倍音構造との関連において確認し、発声学習に導入する試みを実践されました。後者では、同一の詩に作曲された4人の作曲家の作品を分析し、同一の詩にどのような旋律がつけられたか、その特徴を詳細比較することによって演奏解釈の提言を行なうなど音楽教育に貢献されました。
氏 名
生 年
所 属
専門分野
田村 光規 氏(本学名誉教授)
昭和12年生
函館校教授(昭53.4~平15.3)
英語学(音声学)
田村氏は、永年にわたって、英語科教育英語学分野の教育、研究に努め、教育面では多くの優秀な英語教員の育成・輩出に多大な尽力をする一方、研究面では数多くの優れた著書・論文を発表し、関係学会の発展に大いに貢献されました。特に、英語音声学・音響音声学の分野における業績は顕著であり、日本音声学会への貢献は大きいものがあります。また、長きに渡り、函館英語英文学会の会長、及び日本英文学会北海道支部の副支部長を務め、両学会の発展には多大な貢献を残されました。
氏 名
生 年
所 属
専門分野
阿部 秀男 氏(本学名誉教授、元岩見沢校分校主事)
昭和12年生
岩見沢校分校主事(平7.2~平11.1)
岩見沢校教授(昭54.4~平15.3)
西洋哲学
阿部氏は、西洋哲学を専門領域とし、西洋古典の原典を徹底して読み込み、考察する「文献第一主義」をモットーに学生を指導されました。その一貫した指導法により、他大学を含む大学院への進学者を多数輩出し、教員をはじめとする幾多の有為な人材を育成されました。また、本学岩見沢分館長及び岩見沢校分校主事をそれぞれ4年間務め、多難な変革期にあった同校において、へき地教育研究施設の移転、海外の大学との協定締結など、時代に即した新たな在り方を構築されました。退官後も研究者としての研鑽を怠らず、西洋古代中世哲学研究会である「トマス会」の要職を歴任しながら、同会の報告集の編集・発行に尽力し、自らも論文や著書を発表するなど、現在もなお、西洋哲学研究の発展に寄与し続けていらっしゃいます。
(人事課)