名誉教授 遠 藤 順 三 氏
(享年90才)
本学名誉教授元岩見沢分校教授 遠藤 順三 氏は、平成27年3月30日に逝去されました。
同氏は、大正14年2月10日北海道札幌市に生まれ、昭和18年日本大学予科文科に進学、同20年1月大学在籍のまま特別甲種幹部候補生として入隊、同年3月卒業、敗戦による除隊後、昭和21年4月北海道大学農学部農業経済科に進学、同24年3月同大学を卒業されました。昭和24年4月北海道空知郡美唄町立美唄中学校教諭、25年4月北海道札幌東高等学校教諭として勤務後、昭和27年6月北海道学芸大学講師に採用され、昭和36年4月同助教授、昭和50年10月北海道教育大学教授に昇任し、昭和63年3月定年により退職されました。同年4月には長年にわたる教育・研究及び学術上の功績に対し北海道教育大学名誉教授の称号が授与されました。
また、本学退職後、平成元年4月から平成6年3月まで東京農業大学教授(オホーツクキャンパス)に就任、平成15年4月1日から平成25年4月30日まで学校法人八紘学園理事長を務められました。
この間、同人は、永年にわたって法律学の研究と教育に励み、優れた人材を多数育成するとともに、北海道学芸大学岩見沢分校発足の初期から、同分校の基礎を固めるために教育、研究、行政の各面で大きな貢献をされました。
同氏の専門領域である農業法は、民事法、行政法、社会・経済法、労働法等に加え、各地域に特有の慣習法といった非制定法の領域にまで及ぶ広範なものであり、我が国の農業衰退も伴い、非常に困難な研究領域であったにも関わらず、同人は農業法の基礎的研究に励み、同分野の先駆的業績を残されました。
さらに、北海道の様々な教育機関においても教鞭を執り続け、長年にわたり、学生の教育、就職支援、後継者の育成に努められ、北海道労働協会理事、北海道労働審議会委員、学校法人の理事長等を歴任し、学界、労働界、法曹界を結ぶ重要な役割を果たされました。
これらの功績により、平成27年3月30日には瑞宝小綬章を受章されました。
ここに、故人を偲んで謹んで哀悼の意を表します。