名誉教授 十 亀 昭 雄(そがめ あきお) 氏(享年84歳)
本学名誉教授元札幌校教授 十亀昭雄氏は平成25年5月29日に逝去されました。
同氏は、昭和4年4月29日北海道中川郡美深町に生まれ、昭和28年3月北海道大学法経学部政治学科を卒業され、昭和28年4月北海道大学法学部研究奨学生となり、昭和29年4月北海道大学助手法学部に採用された後、昭和33年2月北海道学芸大学講師として本学に着任されました。
その後、昭和34年7月助教授、昭和48年10月には札幌分校教授に昇任され、平成5年3月に停年により退職されるまで職務に精励され、平成5年4月には、本学における永年の教育・研究、並びに大学の管理運営上の多大なる功績に対し、北海道教育大学名誉教授の称号が授与されました。
また、本学退職後は、平成5年4月から平成12年3月まで北海学園大学法学部教授として勤務されました。
同氏は、昭和30年代にはほとんど未開拓といってよい日本の地方政治の分析、北海道の地方自治、政治、選挙、政治風土の診断と分析に関する多くの実証的論文、理論的方法論的枠組に関する論文、調査研究を土台に、独自の北海道政治論、地方政治風土論を多数発表し、わが国の政治学領域における学術研究上の先駆的な役割を担われました。
また、学生に対する教育指導においては、講義のみならず、生活全般において、熱心に指導され、多くの有為な人材を教育界、地方行政分野、産業界などに送り出されました。同氏の指導を受けた多くの卒業生は、北海道をはじめとして、各地で活躍をしております。
さらに同氏は、北海道教育大学の管理運営にも積極的に携わられ、昭和50年10月からの2期4年にわたる代議員の在任期間中には、札幌分校・岩見沢分校が統合から単独移転整備へと大学方針が根本転換された過渡期にあって、渾身の努力を同時期の分校主事、代議員とともに傾注され、札幌分校の発展の基礎条件を作り上げられました。また、札幌分校の学生委員会委員長をはじめ、各種委員会の委員長、委員として、誠意をもってその任に当たられ、分校運営の充実と発展を図るなど重責を果たされました。
同氏は、社会的分野での活動の場面も多く、学問的科学的調査研究の実績に立って北海道をはじめ、道内市町村での各種講演会、研修会等講師として幅広く活動され、北海道政治の民主化、市町村自治の成熟に向け、専門分野を通じて貢献・寄与されました。
とりわけ、同氏が中心となって続けてきた北海道地方自治研究所主催の「北海道地方自治講座」は北海道と中央の著名な学者、研究者と自治体職員との共同研究、討論の場として全国的にも注目され、大学アカデミズムと自治体現場との相互学習の模範的事例であり、「北海道方式」として地方政治と地方自治の全国の学者・研究者から高く評価されました。
以上のように同氏は、永きにわたり教育者として学生の指導につとめられ、優秀な人材を育成するとともに大学の管理運営にも積極的に寄与された外、研究者としても多数の優れた業績を示して学術の振興に寄与され、教育界並びに地域社会の発展に貢献されました。
ここに、故人を偲んで哀悼の意を表します。
|