ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

教育大学園情報誌32号

夢に向かって走れ!希望を胸に日々活動する教育大生たち道南篇函館校巻頭特集 「実験室内で顕微鏡を使う実験も行いますが、野外での実習も行います。例えば自然環境が豊かな近郊の大沼なども、研究のフィールドです」と三上先生が説明を始めると、その大沼を舞台に卒業論文を書いているという大山さんと斉藤さんが、自分たちの研究内容を教えてくれました。 雪国の道路でよく見かける視線誘導柱(矢印が上から縁石を指しているタイプの道路標識)のうち、大沼周辺ではポールがパイプ状で端に穴が開いているものがあり、そこにスズメ、入内雀(にゅうないすずめ/ほおに黒い点がない雀)、椋鳥の3種類の鳥類が巣を作ることがあるそうです。その生態を観察し記録することで、雪という自然現象を受けて人間が行ったある種の自然破壊行為が、かえって鳥の営巣にとっては有益であるというような面白さがわかり、それを研究成果としてまとめたいという、とても興味深い内容でした。 取材の合間に、函館校のキャンパス内を歩きました。前号の特集「歴史の旅」で紹介されていた北方教育資料館は、近くで見るとより一層趣があり、歴史が醸し出す独特の風格を感じました(写真④)。 地域協働専攻・国際協働グループの佐藤香織先生〈専門:日本語教育〉の研究室(写真⑤)では、左から佐藤千賀さん、井上恵美さん、佐藤先生、板井唯茄さん( 以上3年)、田村美里さん(4年)、長津裕香さん(3年)に取材しました。 佐藤さん「ポートランドにティーチングアシスタントとして1年間インターンに行くので、そこで将来のことなどじっくり考えてみたい」、井上さん「これからは日本にも外国人がたくさん来るので、日本の事を好きになってもらえるように活動したい」、板井さん「大学に来てはじめて日本語教師の事を知って、これは楽しそうだと直感で選んだのが正解でした」、田村さん「オーストラリアでの留学体験を活かして、将来的には海外で働いてみたい」、長津さん「言葉だけではなくて、日本人のもつ背景まで伝えられるようになりたい」とそれぞれ熱く語ってくれました。 最後に、地域教育専攻の細谷一博先生〈専門:障害児教育臨床〉の研究室を訪ねました(写真⑥)。後列左から大志民初音さん(3年)、中村龍平さん、宮野希さん(以上4年)、細谷先生、米田真緒さん(大学院1年)、前列左から越智美雨さん、金刺将弥さん(以上3年)。 ゼミ長の宮野さんが活動内容を説明してくれました。「細谷先生が、知的に障がいのある子どもが意欲的に学習に取り組むための支援を研究領域にされているので、幼児臨床として週に1回、函館市内の知的障がいのある幼稚園児を大学に招いて指導しながら、子どもたちの主訴(最も強く訴える具体的な訴え)を支援しています」とのことで、子どもたちのニーズをくみ取ってそれに寄り添って指導することで、特別支援教育を実地で主体的に学んでいるとのことです。 特別支援にかかわりたいと思ったきっかけは、身内に障がいのある方がいたり、出身校で障がい者差別発言や偏見を見聞きしたりとそれぞれですが、みなさんに共通しているのは、障がいのある子どもへの支援について研究することで、障がい者への差別や偏見が少しでも無くなるように貢献したいといった、将来への強い意欲が感じられることでした。 ということで、函館校の取材もあっという間に終了しました。毎回感じることですが、夢を追うたくさんの光が確かに見えた、そんな貴重な体験でした。写真④写真⑤写真⑥2